ギターは13世紀ごろスペインに存在したという資料が有ります。その後15・16世紀には4コースのルネサンスギターがヨーロッパ全域に普及しました。17世紀のギターはバロックギターといわれ、主に5コースの楽器でした。18世紀イタリアで6本の単弦からなるクラシックギターが発明されました。クラシックギターの歴史のは、ほぼヴァイオリンと同じくらい長く、300年近い年月を経ています。ピアノのよりも長い伝統に培われてきたものです。その後、20世紀初頭にはスペインの製作家、アントニオ・トーレスが構造上の改良を施したモダン・クラシック・ギターが生まれ、今日に至っています。
また、19世紀の初めウィーンのクラシックギター製作者のシュタウファーの工房でギター製作を学んだドイツ人のマーチンはアメリカに渡り1833年、マーチン社を創業し、高価なガット弦を用いず、スティールを張った大衆的な楽器を製作しました。これがフォークギターの始まりです。因みに、マーチンの師匠のシュタウファーはアルペジョーネという楽器の発明者です。シュタウファーは、ウィーンの楽譜出版業者でギターの名手でもあり、作曲家としてはハイドンの高弟だったディアベッリと親しかったので、ディアベッリがプロデュースして、この楽器を売りだし、シューベルトの名作「アルペジョーネソナタ」の誕生のきっかけになったことでも有名です。
マーチンが切り開いたアメリカン・ギターのメーカーとして、ギブソン社が興ったのはマーティン社の創業より半世紀以上も後のことです。更に時を経て、第2次世界大戦が終わる直前くらいに、歴史上初のエレキギターがギブソン社から発表されました。そのギターを使って、まるでサキソフォーンのようにギターを自在に演奏したのがモダンジャズの開祖の一人チャーリークリスチャンです。
フェンダー社が興ったのは第2次世界大戦の終わった後で、箱型のギターのボディに音を共鳴させて音量を増幅することを止め、一枚の分厚い木の板をボディとし、電気増幅のみで大きな音量を得るソリッドギターを開発しました。 |